これからの湯治

 

 自分のからだとこころを見つめ直す静かな時間

観光化された温泉旅館やホテルでは、ポーター・極上のお料理・ベッドメイキング等のサービスが当たり前のようにありますが、湯治場では、シンプルに温泉に浸かることにフォーカスされた「湯治宿」があります。

観光としての温泉の歴史は、高度経済成長期から始まっており、わずか60年程度です。それまで栄えていた湯治は時代のニーズとともに廃れていき、湯治宿の数は、現在日本においてわずか3%にまで減少してしまったといいます。

しかしながら、湯治宿では、食事はご自身の心身に応じた自炊が当たり前で料理のサービスは敢えてなく、眠りの時間を妨げないようお布団の上げ下げもしません。荷物の管理も冷暖房にいたるまでサービスがない・・・つまり非常に自由で気楽な旅ができる場所なのです。

また、元来、温泉のちからで身体を治すための湯治にフォーカスしているので、温泉のクオリティは抜群です。

私たちは、湯治を、「自分のからだとこころを見つめ直す静かな時間」と定義します。

温泉には、頑張りすぎて疲れてしまった身体だけではなく心もゼロリセットしてくれ、あるがままの自分に戻してくれる力があります。シンプルな湯治宿は、過剰を手放し、自分を再点検する場所として最適です。自然治癒力で自己免疫をあげ、自分の身体と心がそもそも持っている力を信じ、引き上げていくことが湯治の醍醐味です。自分のために過ごす時間を持つということは、あるがままの自分を取り戻し、己を大切にするということ。あるがままに戻り満たされたら、周りの人にも優しくなれる。身も心も裸になって脱ぎ捨てたら、また新しいことを纏える。そんな気がしています。

鮮度や状態のいいナチュラルな温泉に身を浸し、身体と心と対話する。

食事は食治、自分の身体が欲しいものに耳を澄ませてみる。

自然のバイオリズムを感じる。

地域の方々のくらしを知る。

積んでおいた本を改めて読む。

その土地で採れたお茶をじぶんで淹れて飲む。

そんな過ごし方ができる「湯治の時間」を大切にしませんか。