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鉄輪すじ湯温泉は、みんなの共同浴場

今日も朝の湯あみに、お気に入りの「鉄輪すじ湯」にちゃぽん

ここは組合の温泉で、会員になり、年間2000円で、
いつでも営業時間内に入ることができる

もちろん、別府では当たり前の「お賽銭的感覚」で100円を入れて
非会員でも入ることができる、まちの温泉「共同浴場」だ

鉄輪の湯治街にひっそりと佇む歴史ある共同浴場で
すじに効くことから、すじ湯温泉と名付けられたのだとか

ここは精神と時の部屋

中に入ると、脱衣所と温泉が同じ空間にあって、
さあ、いつでも裸になったらどうぞと言わんばかりのシンプルな温泉

泉質は、ナトリウム・塩化物泉で、鉄輪温泉はたいてい80~99度の源泉であっちっち
その熱い源泉を少しずつ注ぎ、お天気・外気が温泉を冷ましてくれている

シャワーもない、水もない、
クリーム色と水色のタイルと、湯
あっちちの源泉を掛け流しを実現するために、じゃばじゃば温泉を使えない
なので、石鹸やシャンプーが使えない温泉になっている

ただそれだけの本当のシンプルな温泉は
このカラーリングやものがすくないからなのか、
ここに入ると、邪念がふっとぶ

ただただ、我が身体と心を湯に沈めるだけで
身体を洗うこともできない
ただ、沈める
ただ、浮かせる
ただ、見つめる
ただ、ぼんやりする
そんな温泉なんだ

ドラゴンボールに悟空がこもる、
神の神殿最下層にある修業部屋だった「精神と時の部屋」があったが、
私にとってもここがそれにあたる

何か考え事をしたいとき
何か悩んでいる時
ただあたたまりたい、暖房の代わりにもしているけど
ここにくると、心が整う 心を洗える そんな気がしている

すじ湯の優しい時間

すじ湯は、共同温泉で組合員によって手入れされている
桶がいつのまにか増えていたり
うちわがそっと追加されたりしている

人知れず、ただここを利用する人たちのためにと
誰かがいつもそうしてくれている

厳しいルールが特に明言されているわけじゃないけど
組合員はなるべくきれいに、丁寧に扱おう、ってしている大切な温泉

そこに1,2年前から誰かが置いてくれたタオル掛けがあって
1,2年眺めていた

ときたま、場所が変わったりする

今朝、みているといつもと違う場所にあって
温泉に浸かりながら、私はまじまじと見つめていた

 

錆びていくもの・時が過ぎていくこと

このタオル掛け、来たばっかりのときは白くて美しかった
それが足元を見ると錆びつつある

温泉はその含有するミネラル成分のおかげで私たちは健康を保てているのだが、
その一方、金属成分は溶かしたり、変質したり、錆びたり、朽ちていく

私は、この経年変化を、「経年劣化」と呼びたくない性分で、
経年美化でもないんだけど、時が過ぎていくその変化は愛しくてたまらない

年齢も「歳を取る」というより「歳を重ねる」と言ったほうが
私にはしっくりくる

そして、眺め続けていたらこんなことを思った

人間が作ったこうしたタオル掛けは、
たとえば振り下ろしたら私の腕なんで折れてしまうくらい、
タオル掛けのほうが強くて、ひとのほうが脆いだろう

一方、このタオル掛けは温泉のチカラで錆びていった
タオル掛けのほうが脆くて、温泉のほうが強いだろう

一方、人間は温泉で錆びるのか?
むしろ温まり、むしろ幸せになれる
温泉のほうが弱くて、ひとのほうが強い

つまり
「脆くて強いのがひと」
「自然のものはやっぱりあるがままでそのままになれるんだ」

っていうことなんかを
すじ湯に入ると気づかされるのです

ひとと、ひとがつくった強いものと、温泉のおはなしでした
(菅野静)

 

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