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湯治といえばの「酸ヶ湯(すかゆ)」、青森県十和田八幡平国立公園にある八甲田山の西の麓にある温泉です。ここに2016年冬、わずか2連泊ですが訪れました。

東京で大型のプロジェクトを終えて、しばらく休めなかった代休や有給休暇消化のため、1週間の休みをもらって、訪れた東北地方。まずは体をしっかりと休めるために、1泊では移動ばかりで疲れてしまうので2泊3日にしたのです。

2泊にすると、移動を伴わない1日が生まれるだけで途端、旅からくらしに変わる感覚があります。初日家から移動〜宿泊、翌朝、移動よりも、初日家から移動〜宿泊、翌朝まだ眠る〜あさごはん〜眠る〜温泉〜ランチ〜温泉〜読書〜夕食〜寝る〜、3日目移動、ほら!1日、その土地での「くらし」が挟まるのです。これが疲れを癒すのに効果てきめんです。また酸ヶ湯も、1めぐり3日とし、3めぐり10日程度の長期滞在を推奨しています。

私は、冬の東北に憧れがありました。雪深い世界を見てみたい、雪の中、温泉に浸かるなんてどれだけ最高だろう。そして知りませんでした、12月上旬がぎりっぎりの青森移動可能期間だということを!それ以降は交通が大雪でストップしてしまい、お宿もクローズになったりもします。私が辿りついたのは12月頭で、本当にぎりっぎりのタイミングでした。東京から新幹線で青森まで。そしてバスに乗り換え1時間とちょっと。東京にはなかった白い雪・深い道・強そうな森を超えて・・・・

到着しました、酸ヶ湯!や〜ん、やっと来れたよ〜遠いよ〜。鄙び系温泉宿、「国民保養温泉地」という制度ができて最初に認定されたのが、この酸ヶ湯、四万温泉、日光湯元温泉の3つでした。酸ヶ湯は、八甲田山の高地にあるので、高地トレーニングをするアスリートと同様、高地気候のもと(空気が澄んでいてハイパフォーマンスが出る)温泉に入ることができるので、温泉効果もハイパフォーマンスなわけです。1600年代から湧出しているこの温泉、江戸時代の湯治ブームもあいまってとっても人気のあった湯治場だったそうです。そりゃほんと歴史あるわぁ。

酸ヶ湯は、白濁の強烈な酸性の硫黄泉です。見た目はミルキーブルー、舐めるとレモンのように酸っぱい、硫黄泉は肌をクリアにしてくれ、強烈な酸性泉により油分を取り去りクレンジング・ピーリングしてくれる効果があります。

浴用の適応症として、病後回復期、疲労回復、きりきず、やけど、慢性皮膚病、動脈硬化症、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病、高血圧症が挙げられており(酸ヶ湯公式ウェブサイトから)、逆に入ってはいけない禁忌症としては、急性疾患(発熱時)、活動性の結核・悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度貧血、また泉質上、皮膚・粘膜の過敏な人、特に光線過敏症の人、高齢者の皮膚乾燥症とされています。温泉も体調や使い方によっては悪く作用することがあるのです。(そういったことがより理解できる、温泉ソムリエや温泉入浴指導員、温泉観光実践士もかんのは取っています)

お部屋で荷ほどきしたら、いざお風呂だ!

ここは名物「ヒバ千人風呂」が素晴らしく、昔ながらの混浴スタイルを今も継承しています。温泉そのものがミルキーブルーなので、お湯に浸かっていると身体は見えにくいですが、やっぱり照れますね。しかし私が訪れた時には、体の治療のために酸ヶ湯を利用されている湯治客の方が多く、また平日だったのもあり、おじいちゃんやおばあちゃんがメインで、新参者の私は、静かにそっとちゃぽっと入浴させてもらうような感じでした。

ほかほかの身体で、経年した歴史を刻むお宿の廊下を歩きます。床がきしむ音もなんだか愛でたくなるような、ほっとする落ち着きを自分の中にも感じます。なんなんだろう、この感覚。さっきまでせわしく仕事して髪を振り乱して人混みの中にいて必死でたどり着いた青森と、ここ。

あ、雪が三角屋根からまた落ちた。どさっ!どさっ!
便利だなぁ、この三角屋根。その土地の気候や風土で建物のかたちがあるんだよね。
その下には、温泉を流しているので、積もった雪も溶けていく仕掛け。ここに生きているひとびとの知恵と文化だよなぁ、なんて思いながら外を眺めていました。

これまで多くの旅館やホテル、海外も国内も行き倒していました私としては、日本は1泊2食付きが当たり前の観光ですが、海外では食事はついていないことが当たり前で、海外での旅の方が「何を食べようか」というわくわく感もありました。湯治宿でのごはんは、そういう意味では、自炊か自前で調達というスタイルなので海外っぽいと思えます。しかしながら酸ヶ湯は、湯治もできるし、旅館としての機能もあって、ごはんを出してくれるサービスがありました。今回はごはん付きにしてみたのですが、酸ヶ湯のごはんは毎度大満足でした!なぜなら、旅館にありがちの「おもてなしバリバリの旅館めしではなかった」からです。

おもてなしバリバリの旅館めし、とは、私にとって創意工夫が大変なされた割烹料理のような、小料理屋さんのような、また山奥なのにお刺身がなぜにあるの!?というようなお刺身盛りに天ぷらに茶碗蒸しに・・・・というよく見る旅館ごはんです。結構どこにいっても似たようなメニューに私は辟易していました。が、酸ヶ湯は、なんと、鍋がどーーーーん!野菜にお肉にぐっつぐつ煮込まれて、好きなだけ食え〜い!くらいの大雑把感(笑)。付きだし的に、ウニやホタテやとその地で採れた新鮮なものもぽっぽっぽと出してくれていて、温泉に来ると何度も温泉に入りたいからお酒を抜くのですが、今回ばかりはお酒を頼まずにはいられませんでした笑。なんだか家にいるみたいなごはん。こういうのがいいのよねえ。ほんと。

ときどき聞こえてくる東北訛りのかあちゃんたちの声。

湯治に来られているお客様同士の声。

心地よく眺めながら、お酒とおいしい手づくりごはんでどんどん癒されていきました。

わたし、さっき荷ほどきしたように、今夜は、自分の疲れをほどこう。

今夜は、お風呂をこのくらいにして、お酒とおいしいごはんで寛ごう。

そしてお布団にもぐりこんでぐっすりと眠りこけました。久しぶりにぐっすり寝た。

(菅野)

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